屋根職人の道具
投稿者:フランス、ヨンヌ県のゲストハウス「叢林亭」 http://www.sorintei.com
リュシアンたちが仕事を始めてからというものは、空が毎日晴れわたり、雨漏りの水をバケツに3杯も4杯も降ろしたことなど嘘のようでした。4月下旬の週末に1回雨が降ったきりで、5月16日に工事を終えて帰るまでの7週間は奇跡のように晴天が続きました。
ロマンは雨降りの翌日に近所の川で大きな川カマス(ブロッシェ)を4匹も釣り上げたとリュシアンの息子と話していたので、僕も会話に加わりました。その頃になると朝と昼に出すコーヒーのたびに少しずつ会話が交わせるようになっていました。
屋根の上での作業は日差しがもろに当たって暑いのでロマンは上半身裸で働いていました。降りてきたロマンに「スモウ」というと「寄り」のジェスチュアが返ってきました。テレビ・コマーシャルで「スモウ」はすっかり有名になってしまったのです。
ちょうど、フランスは大統領選の真っ最中で、社会党出身の女性候補、セゴレン・ロワイヤルとリベラルながら大衆路線を標榜するニコラ・サルコジとどちらに共感を寄せるのだろうと水を向けたところ、若いふたりは「どっちが勝っても、おれたちの暮らしに、たいした変わりはないさ・・・。」と政治には無関心のようすでした。
足場は三段に組まれ梯子を伝って最上階へ登ると、町外れの牧場や家並の向こうの城の塔がよく見えました。作業に疲れると時々ロマンは屋根の木組に腰を下し、遠くの丘を眺めたり、向かいの公園のマロニエの樹に棲むミミズクの鳴きまねをしたりしていました。
次は屋根の頂上部。スレートの上端の真ん中に銅製の釘の平たい大きな頭が見えます。
下の写真で垂木に挿してあるのはT字 型の薄い金トコみたいな道具で、これにスレートをあてチョウナと金ヅチの合いの子のようなハンマーで切ったり削ったりして形を整えます。
一番下の二枚はハンマーを上からと横から見た写真です。
この記事は「叢林亭」の工事に関するものです。http://www.sorintei.com をご覧ください。
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