Ratilly の城で夏至祭り
投稿者: そうりん亭ジャーナル「りゅーらる」:http://www.sorintei.com
6月20日、ラテイイのお城で夏至祭り (Fête de solstice) が開かれた。
一年で最も日が長い日。秋冬は暗く寒い日が続き家に閉じ込められていた人々は、夏、いっせいに戸外で活動を開始する。
夏至の時期、朝は4時半ごろ夜が明け、夜は11時近くまで空にほんのりと薄明かりが残る。昨日まで25・6℃の気温で、やっと夏が来たと喜んだのも束の間、今日は時雨が走り、日中でも14℃と寒い。
ラテイイのお城は、ここサンファルジョーから15km離れた山の中にあり、ブルドン湖の脇を抜けた向こう側の、森と牧場に囲まれた美しい田園の中にある。
この地に城の基礎が築かれたのは11世紀のことで、中世から連綿と守られてきた。小さく素朴だが、味わいのあるお城。石は鉄分を多く含み褐色で、漆喰は、この土地のオーカー色を呈している。
現在の城主はピエルロ(Pierlot)一家で、陶芸家ノルベール・ピエルロとジャンヌが1950年にこの城を購入。ふたりのあいだの娘のナタリーさんは両親の後を継いで陶芸家。息子のジャンとリュックは音楽家になった。毎年夏になると、美術と音楽のstage 研修会が開かれる。尺八のマスターズも開かれた。
分厚い樫の扉の入り口から入るとすぐに中庭に出る。お城には珍しく芝が植わっている。城というよ
りマノワール(貴族の館)と呼んだ方がいい。
今年の夏至祭りは、写真家ハンス・シルベスターの写真展と夜10時からのフラメンコが呼び物。午後7時のヴェルニッサージュは敬遠し、遅れて8時に着くと、はや中庭は人々がワイン・グラス片手に歓談の花を咲かせていた。
パリから180kmとあって車で2時間かからずに来れ、いまだ都市開発とはまったく無縁の田園風景に囲まれた田舎だが、住民は、昔ながらの農家と都会を避けて移り住んだ人と半々ぐらいだろうか?雑木林に囲まれた農家風の家がぽつりぽつり建っている。
それらの家は、ほとんどがパリの住民か、オランダ、ベルギー、英国などの国籍の人が別荘として改造し、夏のヴァカンスや週末を過ごすために使っている。
この日も城の周りの泥道に停められた車の3割はパリナンバーのプレートを付けていた。
つい数ヶ月前から、車のナンバープレートの表示法が変わり、新車は、不思議なことに自由に県の番号を選べるというのだが、法律が発効する前の車は、かつてのとおり、下2けたの番号が所有者の現住所の県を示すのですぐと判るのだ。パリならば75で、ここヨンヌ県は89というぐあいに。
田舎のお祭りのつもりで来てみたが、洒脱なパリの人が多いのでびっくり。土曜日ということもあって子供や若者も結構来ていたが、やはりお年寄りが多い。それも、
なんとなくアーチストが多いのは城主とその子供たち(といっても、もう中年の方たちだ)が芸術家だから当然なのだが。
不況の中で、芸術活動は様々な困難を克服しなければ継続できない。
「ラテイイ友の会」というNPOを組織して会費で細々と支えられている。遅まきながら筆者も会員に加えていただいた。
今年は、これまでの活動を
まとめた本を出版したが、そこに寄せられた文の書き手を見ると、イヴ・ボンヌフォワ(詩人)、ガエタン・ピコン(文学者)など名だたる人々。
また、これまでに出展したアーチストには、バルチュス、ダ・シルバ、コルビ
ジェ、カルダー、クレーなどがいて質の高さが窺われる。
そして日本から濱田庄司が1963年に、バーナード・リーチとともに、この城に滞在し焼物を作っている。
さらに1996年には備前の陶芸家、山本氏がここで制作展示をしている。
ふたりの日本の陶芸家は、いずれもこの土地で採れる粘土を使い、この城に据えられた、大きな電気炉で焼いた。
夏なのに日中で14℃。遠くからもお城の煙突から煙が昇るのを見て、ああ暖炉に火が焚かれてるなと安心した。
建物の内部の壁は厚く、窓は小さい。
部屋と部屋を繋ぐ扉は小さく頭がつかえそう。
夜の10時にフラメンコが始まる予定だったが、急遽変更され、最初にワインと生野菜とポテトのサラダ、山羊のチーズなど田舎料理が出る。
城主の一家のナタリーさんもリュックもジャンも台所から両手一杯
にサラダとポテトが入った大皿やパンの入った籠を運び給仕に息も継げない忙しさだ。近所の村の若い男女がボランテイアで給仕を手伝っている。
8月の水彩画の研修会に参加したいのだが、先生も生徒も泊りがけ3食付きで来るので、ボクは近所に住み、夜はカミサンが怖がりなので帰ってもいいか?と訊きたかったのだが、大忙しな様子をみると、お邪魔できなかった。いずれ電話かメールで問い合わせよう。
火を求めて暖炉の周りはすぐに人で一杯になった。
子供たちは、新しい友達ができ、中庭をはしゃぎ回る。写真展の部屋に来た女の子ふたりを写真に撮る。
最後にノルベール・ピエルロ(ナタリーさんの父親で1950年にこの城を購入し、窯を設置した陶芸家)の作品が窓の窪みに展示してあるのを見つけカメラに収めた。
フラメンコを楽しみにカミサンと出かけた昨夜だったが、なかなか始まらず、ついに寒さに耐えかねて、帰りが混雑しないうちに引き上げた。
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コメント
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重複してご案内になりましたらお詫び申し上げます。
なお、全く興味のない方は、削除してください。
失礼いたします。
投稿: Anonymous User | 2009年6月25日 (木) 05時07分
めのおさん、こんばんわ。
ちょっとご無沙汰していました。
サイト、トップがさわやかに変わりましたね。
こちら今日は暑かったです。
記事で見ましたらフランス、涼しいようですね。
乾燥してるでしょうし、ずいぶんしのぎやすいでしょうね。
blog peopleへの応援メッセージ大変ありがとうございました。
うれしかったです。
そうですか、叢林亭の名前は山月記から来ているのですね。
相当惚れ込まれたのですね。
彼の文学簡潔ながらほんとに中身は厚いですね。
はい、何とかネコをせめて昼寝が趣味とならないようにですね(*^_^*)
このお城、城主がなかなか魅力のある人のようですね。
やはりヨーロッパは基本的に寒いのでしょうね。
夏至を祝うのですね。
和気藹々としてアートの香りも高いようで、楽しかったでしょうね。
子供がかわいい(*^_^*)
投稿: KOZOU | 2009年6月25日 (木) 23時28分