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2009年7月27日 (月)

コンタドール優勝:トウール・ド・フランス最終日

最終日の本番レースは残り60kmのシャンゼリゼに入ってからと、わかってるためモントローからパリまでの道は、みんなお祭り気分で、完全にリラックスして走っていた。途中恒例のシャンペンが振る舞われ、グラス片手に陽気に走ったりもした。

今日のステージ(区間)で優勝をねらう英国のカヴェンデッシュ
とスプリンターのトップ、グリーン・ジャッジのトール・ユソヴォも並び合い冗談を交わしながら走っている。

21日間、時には激しく競り合い、時には苦痛を分け合い、共にレースを闘った3週間が終わるのを惜しむように中には肩を組んで走ったりする選手もいる。

中でも老練のレンス・アームストロングは来年は自分のチームを作るとかで、「ボクのチームに加わらないか」と勧誘をしながらのレース風景とみかけられた。

個人総合の優勝候補コンタドールに沿道の応援団からスペイン国旗が差し出された。コンタドールは笑ってそれを受け取り、風に靡かせながら走った後、首に結んで走った。

Contavictoire ヘルメット、ジャージ、靴、自転車まですべて黄色の王者の色に身を飾ったこの青年は、内気な性格で、動物が大好きという。なかでもカナリアを沢山飼っていて、黄色はカナリアの色なので黄色ジャージが着られるのはカナリアのお陰かもと解説者は冗談を言った。

中継の途中、サルコジ大統領入院のニュースが流れた。今日はバカンスで大統領はヴェルサイユの森をジョギング中、急に気持ちが悪くなり倒れた。救急車でヴァル・ド・グラス病院に運ばれたが、症状は軽く健康に心配はないとのこと。

3日前のレースを大統領は車で観戦し、表彰式に立ち会った。サッカー、ジョギングとスポーツ好きで自転車も時々乗っているという。

レースの本番はパリへ入ってからの60km。表敬の意味で団体戦トップのASTANAチームの9人を先頭に立て、レーサーの集団はリヴォリ通りからコンコルド広場を抜けシャンゼリゼに入った。

緩い傾斜のシャンゼリゼ通りを凱旋門の付近まで昇り、エトワール広場には入らず、手前で折り返して、シャンゼリゼを反対方向に下る。コンコルド広場の南端からセーヌ河沿いの道をルーブルまで直進し、ルーブルの手前で左折してトンネルを潜り、ジャンヌダルクの騎馬像前を左折し、またリヴォリ通りをシャンゼリゼに向かう。

最後のレースはこのコースを周回して競われる。コンコルドから凱旋門まで約2kmだから1周5km、12周する計算になる。

7人の選手が飛び出し、後続集団との距離を広げてゆく。なんと、この7人の中に、Champs3 日本の別府選手がいるではないか。別府はなんどか先頭に立って快走した。アナウンサーの口からも「Beppu, Beppu 」と名前が繰り返された。

後続集団の先頭に立っていたASTANA チームはくずれ、代ってColumbia の黄色と白地に黒の縞のユニフォームが一列になって集団を牽引してゆく。その最後尾に今日の区間優勝候補カヴェンデイッシュが居る。

ポイント最優秀選手、グリーン・シャツのユスヴォがカヴェンデイッシュにぴったり付いて走るのが見える。黄色シャツのコンタドールは集団に紛れてしまって見えない。アームストロングも同様だ。

勝負がついたのはシャンゼリゼ最後の昇りだった。コンコルド広場を渡りきり、カーヴを曲がる途中から、Columbia の2人が猛然とダッシュした。ユスヴォが追いすがるが前を行く3人の選手に阻まれてダッシュのタイミングが遅れた。

Columbia のカヴェンデイッシュが今季6度目の区間優勝を飾った。通算で10度の大会新記録。とりわけシャンゼリゼでは英国人は勝てないというジンクスを破った。

Champs4 個人総合優勝は、コンタドールが守った。5年前転倒して頭を打ち意識が戻らぬまま3週間、生死の境をさ迷った。半年間手術と療養を繰り返し、2005年にレースに復帰した

表彰台でスペイン国歌を聴く時の慎ましげな青年の顔はいかにも感慨深げだった。個人タイム・トライアルのスタート台ではいつも3回以上十字を切る。敬虔なクリスチャンなのだ。

ール・ド・フランス二度目の優勝を祝い、コンタドールの生まれ故郷マドリッドの南の郊外ピントの広場では明日盛大な闘牛祭り(Fiesta )を行うそうだ。

個人総合2位は、若手のアンデー・シュレック。ジュニア最優秀の白シャツも手に入れた。将来が有望視されるリュクセンブルグの選手。

そして、ついにアームストロングが表彰台に上った。3年半の空白の後の復帰で、もう年齢からみて無理だろうという大方の予想を破り、7回優勝の底力は消えず見事に復帰をとげた。

あまりに強すぎた選手はドーピング問題の犠牲にされ、あいつは勝つことしか頭にない「イヤなやつだ」と嫌われた。大記録の割に評判が悪かったのだが、復帰後のアームストロングは人間が変わったようだと好ましい評判が立った。

マスコミはじめ人々にオープンな態度で接し、ガン撲滅のための財団を設立するなArmstrong1 ど、今まで知られていなかった彼の人間的な面が明かされた。もっと驚くべきは、アームストロング自身ガンに罹っていたのであり、ガンと闘いながら7回の優勝を成し遂げたという事実だった。

レース後のインタビューで彼は、「かつては勝つためにレースをしたが、これからは、財団のため、ガンと闘う人々のためにレースをします。」と語った。

「来年も出場されますか?」との質問に「もちろん出ますよ。」と笑って答えた。

ール・ド・フランスは最も過酷なスポーツとさえ言われている。数々の困難を乗り越えて、ゴールまで完走した選手たち。日本の別府選手と新城選手に盛大な拍手を贈りたい。病気と事故を克服し、なおその上に表彰台に立った3人には特別の敬意を表したい。 

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コメント

ざっと読ませていただきました。
山も自らの力のみで本当に過酷なレースですね。
それだけにすばらしいですね。
優勝選手もさわやかでいいです。
日本人もでているとは知りませんでした。
競馬文化のみ盛んな日本、このようなレースが小さくてもあればいいですね。

長い連載お疲れ様でした。

投稿: KOZOU | 2009年8月 4日 (火) 12時31分

kozouさん
コメントありがとうございました。
コメントを可能にするおまじないを有難うございました。
さっそく使ってみます。
あがためのお

投稿: | 2009年8月 7日 (金) 00時31分

Kozouさん

いやはや嬉しいです!!

巧くゆきましたよ。

これでこれから、安心してコメントも頂いたコメントへの返信も出来るようになりました。

本当に 良いものを 教えて下さいました。
有難う!!心から御礼申し上げます。

めのお拝

投稿: あがためのお | 2009年8月 7日 (金) 00時35分

こんにちわ。
ほんとにそれはよかったですね(*^_^*)
わたしもどーかなーと思っていましたが。
考え出した人は偉いですね。
やはりコメントするからしてもらえる、やっぱ世の中交換社会ですね(^_^;)

投稿: KOZOU | 2009年8月10日 (月) 09時43分

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