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2009年7月12日 (日)

最後の詰め:トウール・ド・フランス-8日目

投稿者そうりん亭ジャーナル「りゅーらる」:http://www.sorintei.com

8日目は引き続いてピレネーの山岳コース。 アンドラ〜サン・ジロン間は176.5kmと距離こそ短いが、途中、峠越えが三か所あって力の配分が難しい。

Tarascon3 スタートはアンドラの町(ラ・ヴィエイユ)からで標高は213m。最初の難所は23.5kmの地点の峠ポール・ダンヴァリラ。標高2408m。峠から約50km下りが続き、102kmの地点に二番目の峠標高1250mが待っている。

峠から114kmのマッサの谷へ下り、最後に難所アーニュ峠1570mを越える。頂上は132.5kmの地点。峠の頂上からゴールまでは44kmの長い下り。

最初の峠まではバラけず全員が一団で走る。峠を越え谷間にかかると全員が激しく動き駆け引きが始まる。6日目まで個人総合トップのスイス人カンチェララは昨日イタリアのトスカナ出身リナルド・ノチェンチニに黄色シャツを奪われ赤いチーム・ウエアを着ている。

昨日の区間優勝者ブリス・フェイユは敢闘賞も取ったので白地にの水玉シャツを着て走る。スタート前のインタヴューで、昨夜はいろいろあって5・6時間しか眠れなかったと言っていた。区間優勝でも勝つと大変なのだ。

ピレネーの山もこの辺は深く、途中まっ白い雪のように見える山肌をヘリが映した。紙、塗料、陶磁器の原料に混ぜ白色を出すタルクの採取場。昔は日本でもてんかふ添加粉)などと呼び、夏、子供のアセモ除けに使った。エコール・ド・パリの画家「藤田嗣治」もあの「偉大なる白」を絵の具にタルクを混ぜて作った。ここだけでヨーロッパの半分、世界の30%の生産量だそうだ。

アリエージュ Ariège という名のこの地帯はまた、温泉が出る。洞穴が12もありTarascon4mtsegu 先史時代から人類の先祖が住んだ土地という。ところどころ小高い山の上に石で造った城塞が半ば崩れて残っている。中世の砦の跡だ。

5月のこのブログにも書いたモン・セギュールもそういった城塞のひとつ。

ゴールまで100kmのあたりから10人ほどが抜け出し、先頭のグループを作り始めた。後続集団と15秒ほどの差ができる。赤いユニフォームのカンチェララ、カヴェンデッシュ、サンチェスもいる。

差はたちまち開き、残り93kmでは1分9秒の差ができた。

暑さのためアスファルトがぐにゃぐにゃになって危険だ。ボトルのドリンクが無くなると手を挙げ伴走車に合図する。チーム・メイトの分までついでに受け取り腰のポケットに3個、フレームに2個と持てるだけ受け取る選手がいる。仲間を見つけると手渡してゆく。

食料と水の指定補給所では長いヒモのついた袋を受け取る。肩にたすき掛けにして走り、食品を齧り終わると袋を道路脇に捨てる。ボトルがポンポン横にはじけ飛んで投げ捨てられてゆく。

Tdfmontagne 残り82kmでは先頭と後続集団の差が2分30秒に開いた。8人に減っている。後続をリードするのは例によってASTANA チーム。力強い走りだ。そのうち先頭を捕まえるだろうと期待が強まる。

最後の峠の登り坂が勝負だった。5%の傾斜で始まり最高8%の急勾配。頂上を越えれば、あとはゴールまで下りで、ここで先頭を捕まえておかなければ後では手遅れになる。

残り54kmで先頭の一人が飛び出し、固まりが乱れた。フランスのサンデ・カザールがスパートをかける。続いて、スペインのアスタルローザ、ルイス・サンチェス、ウラジミール・エフィンケン。先頭は4人に絞られた。

後続のASTANAを先頭とする集団が激しく追い上げ差は1分16秒まで縮まった。しかし登りで4人を捕えることはできなかった。先頭の4人はもの凄いスピードで坂を下り始めている。

残り3kmでサン・ジロンの町に入った。もう勝負は先頭の4人に決まった。後続の選手たちは、追い込みを諦めリラックスして走っている。4人のひとり、ウラジミール・エフィンケンが飛びSanchez1 出し、サンデ・カザールとルイス・サンチェスが追う。

残り100mでエフィンケンを抜いたサンデ・カザールが勝ったと思われた。だが二番手のルイス・サンチェスがフィニッシュ10m手前でカザールを抜き区間優勝を奪い取った。

負けたカザールはインタヴューで語った。エフィンケンに気を取られすぎ、最後のダッシュのタTdfarrive イミングを誤った。早くかけすぎたのが、失敗のもとだった。フィニッシュ・ラインを探したが見えず、残り200mかと思ってダッシュしたが、まだ300mあった。あと10mで息が切れ、サンチェスに抜かれてしまった、と悔しそうだった。

レースは恐ろしい。176kmもあるコースで最後の詰め、たったの10mが勝敗を決めたのだ。

個人とチームの総合順位は昨日と変わらず。ポイントでノルウエーのトール・ヒショヴォが117点でトップに立った。山岳賞にフランスのクリストフ・ケルン。日本の別府は154位、新城は159位でトップとの差を、それぞれ58'41" と 59'42"と縮めた。

つぎの5月のモン・セギュールについての記事も是非ご覧ください。
http://sorintei.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/--5dae.html

http://sorintei.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/--df47.html

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