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2010年5月 7日 (金)

ギリシャの財政危機 -その1

永らくお休みしていました。5月から復帰です。

ジャック・クールがレバノンへ船旅をした帰り難破してコルシカ島に辿りつき身ぐるみ剥がれた上に身代金を要求されたところまで書きました。

この時のジャック・クールの身代金が微々たるもので彼が小者だった事を示していると・・・。

大事なのは彼がヨーロッパと中東との金銀の為替レートの違いを利用して金儲けを企んでいたらしい事です。今の時代とほとんど変わってないな~あ、と思います。

先月からギリシャの財政破綻にどう対処するかでユーロ圏の国々がもめました。

スペイン、イタリア、フランスなど南の諸国は次は我が身という危機感もあって援助の手を差し伸べるべきだと主張し続けました。

最後まで、反対もしくは援助はしたくない意向を表明続けたのはドイツと英国でした。

ドイツは、東西統一以来20年間、国民がサラリーの据え置きや緊縮財政に耐えた末、やっと勝ち取った繁栄です。国の指導者がずさんな経営をした結果、財政危機を迎えたからって簡単に援助してくれなど言うべきでないと感情的反発もあったでしょう。

イタリー、スペイン、フランスなどラテン諸国は政治家、高級官僚の汚職腐敗が激しい。袖の下(フランスではテーブルの下から渡すらしい。大抵はワインを飲みながらの賄賂なのでポ・ド・ヴァンとも言います)が横行してます。

社会党時代の石油会社エルフの汚職(これはミッテランがコールを助けた。そのお陰でEUとユーロが実現したことは今では良く知られています)。台湾にフリゲート艦を売った時の不正コミッションを巡り、先週からまたマスコミがで取り上げています。

一時期、ギリシャがユーロ圏を脱退して元のドラクマに戻ったらという意見と仮説が賑わいました。ドラクマに戻せばギリシャ通貨の為替レートが下がり輸出競争力がついてギリシャ経済は活気を取り戻せるという議論でした。

しかしユーロ圏に参入する時の規定はあっても脱退する時の規定がないとか、危機を切り抜けるためにユーロで借金しなければならず、ドラクマに戻っても対ユーロ為替レートはユーロ高になり、返済はユーロでしなければならないから結局はギリシャ経済を救う事にならない。

ギリシャの次はポルトガル、スペインだと既に株式市場は二国の関連株を大量に手放しリスボン、マドリッドの市場は暴落しました。次はイタリー、そしてフランスにも及ぶと戦々恐々です。

アテネの民衆は5月5日、数万人がデモし、国会に押しかけ、最終的にドイツも援助に回った、EUとIMFの援助を受け入れるにあたり首相が約束した緊縮財政法案の国会通過を阻止しようとしました。

Demoathene3

まるで1960年と70年の安保改定反対の国会デモのようですね。民主主義の発祥地のギリシャの民衆は、危機の一線を越えていたにもかかわらず政治家が国民にウソを吐き、放漫財政を続けたツケをなんでオレタチが払わねばならんのだと怒りをぶつけました。

公務員のサラリー1~2か月分のボーナス廃止、加えて、20%を超える消費税の上昇、タバコ、アルコール、ガソリン税の値上げ、老人は年金が貰えなくなる・・・。緊縮財政は真っ先に国民を襲います。私企業のサラリーマンも一社では暮らしてゆけず、副業をこなしている人が多い。

ユーロという統一通貨の導入を決めた時、すでに国により経済状況が違うのに人工的に決めた通貨を画一的に適合させるのはおかしいという議論が出ていました。

ギリシャの経済危機はユーロという通貨全体の危機として、さらにユーロが崩壊すれば、ドルの危機につながるとフランスの経済専門家の中には危惧する人もいます。

アテネの民衆は金融機関が先物相場で為替取引に失敗した結果、金融危機を招いたとして、敵は銀行だと火炎瓶を市中銀行に投げ込みました。火事で3人の若い行員(内一人は妊娠していた30代の女性)が逃げ場を失って死亡しました。

 

Photo_2

この為、デモは一時的に静まりましたが、危機が収まったわけではありません。EUとIMFの援助金はギリシャが必要とする金額に足りないのです。

ところで国庫が抱えている財政赤字が最大の国はどこでしょう?
アメリカは凄いです。でも世界一の財政赤字国は実は日本なのです。
日本の皆さん、ギリシャは遠い地中海の国。
昼寝ばかりして働かない国民。だから財政破綻を迎えても当然さ、などと、あなどらないでください。火が、そのうち、日本にまで振りかかって来ない保証はどこにもないのです。

         

            

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