旅行・地域

2008年6月22日 (日)

音楽の日

投稿者「叢林亭」: http://www.sorintei.com

6月21日は夏至。やっと夏が感じられる一日でした。日陰で30℃、ひなたで35℃でした。

この日は20数回目の音楽の日でもあります。大都市でも田舎の町や村でも、フランスの至る所で、クラシック、ポップス、ジャズ、民謡とあらゆる音楽を室内でも野外でも楽しむ日です。

Fanfare1

サンファルジョーは人口が

3000人に満たない小さな町。

ブラスバンドも中年が少なく

こじんまりしています。


しかし、この町にも市役所に音楽教室があって誰でも無料で楽器やダンスを学べます。


Fetemusique1

今年はヨンヌ県後援の自転車ロードレースを組み合わせました。

表彰式で演奏するブラスバンド。 

Podiumvelo1

ロードレース優勝者の表彰式。市長と県議会議長さんの手からさまざまな色のTシャツが贈られます。

Ballonenair1

子どもたちは名札をつけた風船を青空に放ち、見知らぬ人々との通信を試みます。

Musette4

シャトーの前の広場で愛想をふりまく帝政時代の衣装を着た3人。


サン・ファルジョーの町について詳しくは http://www.sorintei.com をご覧ください。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月14日 (月)

パリとフランスの田舎

投稿者: ゲストハウス「叢林亭」: http://www.sorintei.com

Stgermain 都市計画を基に、幾何学的な整然とした街並み。そういうパリの姿に驚嘆を感じるのは、自然を完全に支配してしまった人間の美意識と統制の意志に対する驚きだろうと思います。自然の代表としてセーヌ川をみれば、パリのセーヌ川の護岸工事は、たまに増水で河岸の道路が水を被るくらいで、石とコンクリートで両岸を固め、まるで運河みたいに見えます。

そういうパリの、人工的な都市計画による整然とした美意識が隅々まで行き届いた美だけがパリの魅力だろうか?いや、そうではない、と僕は30年パリとその近郊に住んでみての結論として考えます。逆に、パリが多くの人々に愛されるのは、パリがあちこちにどことなく田舎の風情を漂わせている街だからにほかならないと。

たとえばモンマルトルのテルトル広場。あの広場をを囲む家々は田舎風ではありませんか?さらにサンジェルマンデプレの教会の裏の道。もっと言えば、イタリア広場に近いトルビアックの界隈。苔むした屋根や蔦やブドウや藤が這い伝わる壁を持った民家が鉄筋のビルに押しひしがれながら頑張っている。そんなパリの一郭を見るとき、どんなに急いでいても、「おや。これは、いいな」と立ち止まってしまうほどの、なんともいえない親しみと「ここち良さ」を見る者に抱かせる。そういう魅力をそれらの光景が持っている。

牽強付会を恐れずに言うなら、それは、都会に残る田舎の風情がわれわれの心の奥に仕舞われた光景を思い出させ、親しみの感情とともにノスタルジアを抱かせるためではないのか。

とりわけ僕はサンジェルマンデプレの裏道のアベイ通りの光景にこうした魅力を感じました。この道の突き当たりにある画廊のサーモンピンクの壁と茶のヴァリエーションが美しい屋根。素焼の小さな長方形の瓦をぎっしり敷き詰めた屋根は色もさることながら、その勾配とゆるやかな「そり」が僕になんともいわれぬ、そこはかとないノスタルジアを感じさせ、その魅力にとりつかれたのでした。

パリに着いたばかりの頃、道端に立ってここの風景をスケッチし、8号のキャンバスに油絵に描いてみた。この絵は30年たったいまも完成していませんが、この光景を美しいと感じる人は僕だけでなく、沢山いることがわかりました。

この画廊の古い瓦ぶきの屋根が持つ勾配と、その稜線の緩やかな「そり」を何よりも美しいと感じたのですが、それと同じ色と「そり」を持つ屋根が、ブルゴーニュには沢山あると知った時、僕は喜びで胸が満たされました。そうか、あの家は、この地方のスタイルの家だったのだ。それから、僕は、何故こうした古い屋根にノスタルジアと親しみを覚え、美しいと感じるのか考えてみました。

それらのどっしりとした屋根の重みと勾配と「そり」は、なんのことはない、日本の方々にあるお寺の屋根が持つ美しさにほかなりません。そうした屋根を美しいと感じ、その「そり」に親しみを抱く僕は、日本で育ち、物心つく中学生くらいの頃から、修学旅行なんかで、法隆寺だの東大寺だの薬師寺だの、日本の古都の伽藍の屋根がもつ美しさに親しんでいたからだろう、と思います。

パリの魅力が人工の都市空間に自然を完全に取り込んでしまったところにあるとすれば、フランスの田舎の魅力は、平凡ですが、自然に和むように建物があり、人間の生活の営みが自然に従っているところにあるといえましょう。

パリでは、セーヌ川の治水と護岸工事、ブーローニュの森、ヴァンセンヌの森はじめ、至る所にある公園とスクエア、そして言うまでもなく、マロニエやプラタナスやアカシアやトネリコなどの見事な並木道が人工的な石とガラスと金属の町並みにうるおいを与え、人間に親しみやすい景観を与えている。

反対に田舎は、ゆるやかな起伏の大地に、牛や馬や羊が草を食み、谷あいに寄り添うように人家の集落が見え隠れする。こうした風景は、主体はあくまで自然の側にあるということを否応なく呑みこまさせてくれる。

セーヌ川とロワール河を比べてみましょう。セーヌ川は上流に調整池を幾つも持ち、大雨で増水の危険があると他の川に水を流してしまう。そうまでしてパリを守らないと地下鉄が水没したら一大事だからでしょう。石とコンクリートの護岸工事は、これが自然の川かと疑わせるほど、しっかりし過ぎていて、水も運河を流れるように単調均一です。

Photo 一方のロワール河は、フランス第一の大河でありながら調整池やダムを一切持たない。自然のままを保護しようと環境派の市民団体が常に目を光らせています。唯一の例外は流域に幾つもある原子力発電所ですが、もはや家庭電力の七割をこれに頼っているフランスでは環境保護団体も受容せざるを得ないのでしょう。河川敷が広く、護岸工事も土手くらいです。夏の渇水期には水位が下がって川底の砂洲が方々にできます。船は遡れず、そのかわり鮭が上流まで遡ります。そうこの河は、日本の川に似ているのです。幼いころから多摩川に親しんできた僕は、どうしてもロワール河の方に親しみを感じ、この河をみるたびにほっとします。

Sorinteitoit2 ロワール河とブルゴーニュ地方を結ぶ中継点。ピュイゼと呼ばれる、かつてはパリへの木材の供給地であり、セーヌ川の支流、ロワン川とヨンヌ川の水源地でもある地域に、僕は住み、このたび、ゲスト・ハウス「叢林亭」をオープン致しました。

ロワールのお城めぐりにもブルゴーニュのワイン畑巡りにも行きやすい所に位置しています。ぜひ「叢林亭」のホームページ : http://www.sorintei.com をご覧ください。

| | コメント (2) | トラックバック (0)